RITA税理士法人から関与先の皆さまへ毎月お届けする「事務所便り」です。
前略 桜の花は各地で既に満開となり、まさに春真っ盛りの今日この頃ですが、皆様におかれまして益々ご清栄のこととお喜び申し上げます。
今年のGWは飛び石連休となっており、長い人だと11連休にもなるということで、国内外の観光地はどこもかしこも大混雑の様子です。
さてそんな中、世界中を混乱に陥れているトランプ大統領の第2次政権発足後100日が経過しました。相変わらず連日のように政策変更や関税関連の情報が発表され、そうかと思えば撤回、一時停止、取り消したりで、その度に世界が右往左往させられております。
そのトランプ政権の中で政府効率化省(DOGE)」を率いるイーロン・マスク氏ですが、本業のEV(電気自動車)テスラの販売については、営業利益が前年同期比66%減となり四半期で最大の減益幅となっております。理由としては様々な政治発言への反発から世界に広がった不買運動が響いたということではありますが、一方でEVの普及については、近年様々な問題点がクローズアップされてきているのも事実です。
例えば、最近の4月28日に、スペインとポルトガルで大規模停電が起きたばかりですが、何百万人もが電気を失い、インターネットや電話網がつながらず大混乱でしたが、こういった事態に陥ったときEVは本当に困りますよね。日本でも2018年9月に発生した北海道胆振東部地震でブラックアウトを経験しましたが、北海道全域で電気が止まり、エレベーター、冷蔵庫、暖房、携帯の充電、水道ポンプが動かず、生活の根幹が一気に崩れました。EVは走るために電力を大量に必要とします。一般的なEV1台あたりの充電消費電力は、普通の家庭1軒の1日の電力使用量に相当すると言われていますので、EVが大量に普及すると、ピーク時の電力需要が跳ね上がることになります。また特に日本では 電力インフラが逼迫・老朽化しており、大量のEV充電を前提とした設計にはなっていないとのことなので、地域によっては、同時に多数のEVが充電されると送電網が過負荷になり、ブレーカーが落ちたり停電(ブラックアウト)につながるリスクも指摘されております。今後EVをさらに普及させていくためには、まずはこれらのリスクに対して体制を整備することが必要となりますよね。EVを「走る電池」としてではなく、「家庭用蓄電池」や「電力網の一部」として使う技術や、夜間充電の推進・時間制御の導入、再生可能エネルギーとEVの連携等々・・・、官民一体となってGX(グリーントランスフォーメーション)を推進していくことが急がれると考えております。
草 々
前略 すっかりと雪も溶け、日ごと春らしさを増している今日この頃ですが、皆様におかれましては益々ご清栄のこととお喜び申し上げます。
さて、いよいよ4月を迎え新年度が始まりました。新たな気持ちでスタートダッシュといきたいところですが、そんな中日本経済の方はというと、中々先を読みづらい不確定要素だらけの状況と言えるのではないでしょうか。今年1月20日に第47代アメリカ大統領としてトランプ政権が発足して以来、世界情勢は一気に混迷の度を深めていると感じます。就任直後から発表される数々の大統領令は、常識では考えられない事ばかりですよね。
これらの政策は、トランプ大統領の強烈な支持基盤である「キリスト教福音派」の影響がかなり色濃く出た結果との事ですが、このキリスト教福音派は「聖書を神の言葉」として最重要視しており、伝統的な家族観、反中絶、反LGBTQ権利の立場を取っています。また「神はユダヤ人にパレスチナの地を与えた」とする聖書の言葉から、イスラエル支持を重要視しています。温暖化政策には反対、ワクチン接種にも懐疑的な立場なので、今後は同性婚やトランスジェンダーの権利を制限する政策や、気候変動対策の後退、ワクチン政策や公衆衛生対策の弱体化、過度なイスラエル支持への動き等々、これまでの世界の流れや常識をまったく覆す動きが出て来ると考えられます。特に世界経済に大きな影響を与えそうなのが関税でしょうか。トランプ大統領は就任直後から経済政策の柱に関税を掲げ、
立て続けに国別や品目別の関税引き上げを表明してきております。世界経済を牽引している米国の関税政策は世界の貿易体制を一変させ、一気に成長を押し下げてしまう可能性があります。自動車には25%の追加関税が発動され、半導体や医薬品などにも追加関税を課すとのことで、今後の政策次第では、日本の経済、物価、円相場や金利等々への影響も相当大きいと考えられます。しばらくはトランプ大統領の動向から目が離せませんよね。世界経済も日本経済も、トランプ大統領次第でどっちに転ぶか全く読めない状況が続きそうですが、思い悩んでいてもしょうがないですよね。一つ一つ着実に慎重に、手を打って行きたいと考えているところです。
<今月の言葉> — ヘラクレイトス(古代ギリシャの哲学者)
「唯一の恒常的なものは、変化である。」
変化を恐れず、むしろ変化を前提にして、新たなチャンスと捉えることが大切という 意味でしょうか。
草 々
前略 3月を迎え、日ごと雪解けも進み春の訪れを感じる今日この頃ですが、皆様におかれましては益々ご健勝のこととお慶び申し上げます。
さて、2月末に日本国内の2024年の出生数と死亡数が発表されましたが、これによると出生数は約72万人で、9年連続で過去最低を更新、一方死亡数は約162万人で、4年連続で過去最多となっております。つまり昨年は日本の人口は約90万人も減り、そして今後は加速度的に人口減少が進むと予想されているわけです。
このような中、昨今は企業の若手の人材不足が益々顕著で、新入社員の争奪戦が激しくなっており、一部の上場企業等では初任給を大幅に引き上げる動きも出てきております。
「産労総合研究所」の調査によれば、中小企業(従業員299人以下)の2024年度の大卒新卒社員の平均初任給は 21万8千円 でしたが、このままでは大企業と中小企業の賃金格差が益々広がっていくと考えられます。中小企業にとっても人材確保は不可欠ですが、初任給のみを上げても現社員の賃金とのバランスが保てず、賃金体系のすべてを見直すとなると、資金面での制約もあり、経営全体のバランスが崩れる危険性があります。 中小企業の適正な人件費の考え方の一つとして「労働分配率」による設定があります。
企業の人件費は、従業員の生産性と企業の稼ぎ高(付加価値額) に基づいて決定されるべきとの考えです。(労働分配率 = 人件費 ÷ 付加価値額 ×100)は、企業が生み出した付加価値のうち、どれだけを従業員の給与として分配しているかを示します。一般的な労働分配率の目安は、製造業:40~50%、小売・サービス業:50~70%、IT・コンサル業:30~50%となりますが、この割合が高すぎると利益を圧迫し、低すぎると従業員のモチベーション低下や人材流出につながります。例えば直接人件費を450万円、間接人件費50万円、合計500万円を支払う場合で、労働分配率が50%の企業なら、この社員が付加価値を1000万円稼ぎ出すならこの人件費は妥当という考え方です。労働分配率は企業の稼ぐ力を示しますので、この比率が高い場合は、人が多過ぎるのか、能率の悪い仕事運びをしていないかを検討する必要があります。生産性を示す重要な指標ですので、常に注視して改善してほしいと思います。いずれにしても今後は益々給与戦略は非常に重要となります。短期的な採用競争だけでなく、長期的な企業成長とのバランスを考えた給与体系が必要と考えております。
草 々
前略 厳寒の候 皆様におかれましては、益々ご健勝のこととお慶び申し上げます。
今年は雪も少なく穏やかな冬と思いきや、2月を迎え一気に帳尻が合ってきた今日この頃ですが、世間の方は、年明けから芸能人スキャンダルとフジテレビ局の件で、大嵐となっております。近年はSNSの普及で瞬時に情報が拡散され、その真偽はさておいて、批判の声が一斉に高まり過剰なバッシングに発展、社会的に制裁・抹殺されてしまいます。「一度の過ちも許さない」「炎上したら終わり」といった現代の風潮は、果たして健全と言えるのか。未熟ながらも寛容であった昭和の時代が、何故か懐かしい今日この頃です。
そんな中、今年も確定申告の時期がやってきました。ご存じのように近年は国税関係手続のDX化が、急速に、そして半ば強引に進められております。e-Taxの利用拡大、電子帳簿保存制度、インボイス制度等々、次々と導入されておりますので、確定申告に際してはこれらにしっかりと対応しなくてはなりません。申告書提出は電子申告が前提となってますので、税務署から申告書類は送付されません。申告書類等への押印義務もなくなってますし、源泉徴収票や各種証明書類も添付不要又はPDF添付です。納付書も送付廃止で、代わりにキャッシュレス納付(振替納税、ダイレクト納付、クレジット納付、コンビニ納付等々)が推進されてます。また令和7年より、各種申告書等を税務署の窓口に提出しても、控えの書類に収受印を押してくれません。今後は自分自身で控えの作成と保管、提出日を記録管理することが求められます。提出したことの証明は、①電子申告を行い受信通知を取得する。②申告書情報取得サービスを利用する(e-Taxを通じPDFファイルで取得)。③税務署で個人情報の開示請求する。④税務署での申告書閲覧サービスを利用する。⑤税務署で納税証明書の交付請求する。が考えられますが、当面は相当混乱を招くと思います。
税務手続きのDX化は、納税者の利便性向上や行政の効率化が目的であり、時代の要請というのは理解できますが、あまりに急激な変化は、かえって納税者の混乱を招いていると感じます。中小企業にとっては、新しいシステムの導入コストの問題や、取引先との関係にも影響が及びますので、行政側は単なるデジタル化の推進だけでなく、納税者が無理なく適応できるよう、十分な周知とサポートの充実が必要と考えます。
DX化の波に乗り遅れないためには、早めの準備と正しい知識が必要です。ご不明点はRITA税理士法人にお問い合わせ下さい。最新情報をわかりやすくサポートさせていただきます。
草 々
――新年明けましておめでとうございます―――――――――――
いよいよ令和7年の幕が開けました。皆様におかれましては輝かしい新春をお迎えのこととお慶び申し上げます。
今年の年末年始は、雪も少なく比較的に穏やかで、また多くの人が最大9連休ということもあり、ゆっくりのんびりなお正月を迎えることができたのではないでしょうか。
さて、昨年末には恒例の日本漢字能力検定協会の「今年の漢字」が発表されましたが、2024年は、「金」という漢字が選ばれました。これは、パリ五輪で日本人選手が過去最多の金メダルを得したことや、佐渡金山が日本で26件目の世界遺産に登録されたこと、さらに新紙幣が発行されたこと等が理由のようですが、「金」は5回目の選出であり、いずれも夏のオリンピック開催年にばれていることから、何か新鮮味に欠ける気もしますよね。また「2024ユーキャン新語・流行語大賞」の年間大賞は「ふてほど」が選ばれました。これは、金曜ドラマ「不適切にもほどがある!(脚本・宮藤官九郎×主演・阿部サダヲ)を略した言葉ですが、昨今の行き過ぎたコンプライアンス社会をテーマに、昭和世代と令和世代のギャップを描き大きな話題を呼んだからとのこと。このにはパリ五輪総合馬術競技で92年ぶりにメダルを獲得した平均年齢41.75歳「初老ジャパン」や「50-50」、「Bling-Bang-Bang-Born」等が選ばれております。一方で暗い方では、政治経済の問題を象徴した「裏金問題」や、闇バイトによる金品強奪事件の多発を受け「ホワイト案件」等も選ばれております。
是非とも2025年は、明るく活気のある世相を期待しているところであります。
そんな中「令和7年度税制改正大綱」が閣議決定されております。今回は近年の物価上昇局面に対応し「103万円の壁問題」を調整するべく、所得税関連の改正が注目されると思います。「基控除の引き上げ」、「給与所得控除の引き上げ」、「特定親族特別控除の新設」、「生命保険料控除の見直し」等々が行われます。また相続税関係では「事業承継税制の適用要件の緩和」等も行われますその他、経済社会の変化に対応した様々な税制の改正項目がありますが、RITA税理士法人が全力でサポートさせていただきます。
RITA税理士法人は、今年も関与先の皆様の真の繁栄のため、「正直」「親切」「誠心誠意」をモットーに、皆様の経営に少しでも役立つため、変化に対応しつつ、共に考え、
全力で邁進する所存です。本年もどうぞよろしくご指導ご鞭撻の程お願い申し上げます。
草 々