2021年

RITA税理士法人から関与先の皆さまへ毎月お届けする「事務所便り」です。

12月

 前略 師走を迎え本格的に寒さの厳しい今日この頃ですが、皆様におかれましては益々ご健勝のこととお慶び申し上げます。

 さて早いもので、令和3年も残すところ後一ヶ月となりました。今年をちょっと振り返って見るならば、新型コロナ禍2年目を迎えた中で、相変わらず感染者数の増減等に一喜一憂しつつ、何とか工夫しながら過ごし通せた1年だったと感じております。

 日常生活は相変わらず多くの我慢を強いられた中でしたが、政治の世界も、スポーツ会でも、様々な出来事が起こった1年でもありました。中でも一番に日本中を盛り上げてくれたという意味では、東京オリンピック・パラリンピック開催でしょうか。「多様性と調和」を理念に掲げた今大会は、すべてリモート観戦ではありましたが、真剣にスポーツに打ち込んでいる人間の姿はやはり美しい、選手たちの笑顔や汗や涙によって癒された人も多かったと思います。日本選手の金27、銀14、銅17というメダル獲得も見事でした。

 いや感動という意味でこれ以上だったのは、何といってもメジャーリーグの大谷翔平選手の大活躍でしょう。投手として9勝、防御率3.18、打者として46本塁打、100打点、103得点、26盗塁という、現代野球では考えられなかった記録を残し、アメリカンリーグのMVP(最優秀選手)を何と満票で受賞しました。まさに唯一無二の本格的二刀流としての活躍は野球界の歴史を変えました。来年以降もどんな驚きと感動を世界中に見せてくれるのか、今からワクワクしているところです。

 一方で政治の世界でも大きな動きがありました。9月には、新型コロナウイルス対策で遅れをとったことや、コロナ禍でのオリンピック開催、また国民への説明不足等の理由で支持率が急落し、菅義偉総理大臣が突如の退任となり、これを受けて10月には岸田文雄第100代の総理大臣が誕生しております。新首相が目指すのは、新しい資本主義の実現と、成長と分配の好循環と、コロナ後の新しい社会の開拓、ということですが、具体策はまだ見えてきてません。今後に期待しつつ注目していきたいと思います。

 さてさて来年はいったいどんな年になるのでしょうか。新変異株「オミクロン」の拡大も懸念されます。DXもどんどん進むと考えられます。変化のスピードに乗り遅れないようにしっかりと方向を見極め対応していきたいと考えている次第です。

 今年一年、当事務所業務に多大なるご協力を賜り誠にありがとうございました。

2022年も皆様の経営に少しでもお役に立てますよう、全力でご支援させていただく所存です。どうぞ宜しくお願い申し上げます。末筆となりますが、皆様のご多幸とご健康をお祈り申し上げ、年末のご挨拶とさせていただきます。

草 々

11月

 前略 晩秋の候 皆様におかれましては益々ご健勝のこととお慶び申し上げます。

 さて、令和3年も残り2ヶ月となりましたが、コロナ感染者数は急激に減少しており、このまま年末に向け一気に経済の動きが活性化することを期待している今日この頃です。

 さてプロ野球の方は、セリーグはヤクルトが、パリーグもオリックスが優勝で、両リーグ共に前年最下位からの下克上Vという史上初の結果となりましたが、日本ハムファイターズはというと、いよいよ栗山英樹監督が10年間の監督生活に終わりを告げユニホームを脱ぎます。日本一1回、リーグ優勝2回はもちろん素晴らしい成績ですが、それ以上に、立派だったのは、選手を信じ、我慢し、真摯に向き合い続けた姿勢であったと思います。我々企業経営者にとっても大いに学ぶべき態度であったと感じます。お疲れ様でした。

 そして後任は何と、新庄剛志新監督に決定しました。まさかこんなことが起きるとは想像だに出来なかったことが起きました。加えてGMは、侍ジャパンの監督を務めた、盟友の稲葉篤紀氏です。いろいろな夢を与えてくれそうな、何ともワクワクする組み合わせですよね。2023年には北広島市に新球場「エスコンフィールド北海道」も完成します。しばらくは日本ハムファイターズから目が離せません。

 さてそんな中令和4年1月1日から施行される法律で注目すべきものに「電子帳簿保存法」「スキャナー保存法」の改正があります。そもそも所得税も法人税でも、「現金出納帳」「仕訳帳」「総勘定元帳」等の法定帳簿や、領収証、請求書等の証憑類は、一定期間(原則7年間、または10年間)保存しなくてはならないこととなっており、その保存は「紙」での保存が義務付けられていますので、10年分の保存ともなると、1部屋では納まらないような企業もあると思います。ところが電子帳簿保存法を採用すると、帳簿類は電子データ(CDやDVD等)での保存が可能となり、保管場所は机の引き出し一つで充分となります。電子帳簿保存の採用により、保存コストが大幅に削減できる、いつでも簡単に過去データを検索確認できる、ペーパレス化を進めることにもなる、所得税では青色申告特別控除が10万円増える等々、様々なメリットがあります。

 従来この電子帳簿保存法を採用するためには、税務署への事前申請や、一定の機能を持つ会計ソフトの利用や、タイムスタンプの要件など、多少ハードルも高かったのですが、今回の改正で大幅に緩和されております。企業のDX(デジタルトランスフォーメーション)化が急務となっている中、今後は多くの企業で採用することとなると考えております。

 詳しくは当事務所までお問い合わせください。

草 々

10月

 前略 すっかり秋風の涼しい今日この頃となりましたが、皆様におかれましては益々ご清栄のこととお慶び申し上げます。

 さて10月1日より、新型コロナウィルス対策で発令されていた「緊急事態宣言」と「まん延防止等重点措置」がやっと全面解除となりました。日本全国で宣言も措置も発令されていない状態は約半年ぶりとなります。ここで一気に経済活動再開にスタートダッシュで勢いをつけたいところでしたが、時短営業、酒類提供制限、イベントの観客制限等はしばらく続くとのことで、何やら日本らしい慎重さと切れの悪さを感じております。

 とは言え、ワクチン接種は10月末までに国民の8割が2回の接種を完了するペースで進んでおり、内閣府が10月1日に発表した9月消費動向調査によると、消費者態度指数も、2カ月ぶりに上昇し、2020年2月以来の高い水準となっております。

 また日本銀行が今春4月に公表したレポートによりますと、2020年の1年間の累計で20兆円程度の「強制貯蓄」があるとしています。「強制貯蓄」とは、今般のコロナ禍で、外食や旅行などができず、消費する機会がなくなって、「強制的」に貯蓄にまわった家計のお金の額のことで、国民一人当たり16万円の計算になりますが、日銀では、今後の経済活動の再開に伴い取り崩され、徐々に消費に使われていくと見ております。

 このようにコロナの影響で、旅行や外食などに出かけられなくて、使いたくても使えなかったお金を使おうという行動は、抑えていた消費をやり返すという意味合いで「リベンジ消費」と呼ばれているそうですが、既に「リベンジ消費」は一部の高級品で顕著にあらわれているようです。高級時計が飛ぶように売れ、輸入車の販売台数も過去最高を記録しているとか。

 そんな中、政治の方では自民党の岸田文雄新総裁が誕生しました。経済活動再開に向けどんな経済対策を実行していくのか。今後、「リベンジ消費」が、高級品以外の消費にも幅広く広がっていくのか、それとも将来の不安から蓄えとして留まり続けるのか、政治の役割は大きいと考えます。新総裁は「成長と分配の好循環」を唱え、格差是正や中間層の復活を掲げておりますが、是非とも将来の不安をなくし、消費の底上げする好循環の実現に向け手腕の発揮を期待しているところです。

草 々

9月

 前略 9月を迎え秋の気配を感じる今日この頃ですが、皆様におかれましては益々ご健勝のこととお慶び申し上げます。

 さて、昨年8月28日の安倍前首相の突然の辞任表明の後を引き継ぎ急遽、菅政権が誕生してから9月で早1年が経ちます。当初より新型コロナ対策と経済の再生という超難題を抱えての船出ではありましたが、国民への発信力や説明する姿勢、またコロナ後の社会経済の正常化に向けた「出口戦略」も示せていない等の批判の声も聞こえております。
そんな中、菅首相の看板政策であるデジタル化について、その司令塔となるデジタル庁が9月1日に発足しました。世界から大きく遅れを取っているDX(デジタルトランスフォーメーション)を日本社会に普及させ、縦割行政・前例踏襲体質を打破できるよう大いに期待しているところです。

 一方税務の方では、令和3年10月1日より、消費税の「適格請求書等保存法式(インボイス制度)」開始に向けて、「適格請求書等発行事業者」の登録申請受付がいよいよ開始されます。消費税の計算方法は、{課税売上にかかる消費税}-{課税仕入れにかかる消費税(仕入税額控除という)}={納付消費税}が原則ですが、インボイス制度が導入されると、「適格請求書」を保存してないと「仕入税額控除」ができなくなります。ですから買い手からすると「インボイス登録事業者」以外から購入すると、「インボイス」を取得できないので納付消費税が高くなる結果となります。よって「登録事業者」以外は、取引から排除される可能性が出てくるのです。「適格請求書発行事業者」に登録すると、国税庁の登録簿に事業者名・固有の登録番号が登録され国税庁のホームパージで公表されます。現在消費税の課税事業者であっても、登録申請をしないと登録事業者にはなれません。また免税事業者は登録申請できませんので、まずは「消費税課税事業者選択届書」を提出し課税事業者になる必要があります。インボイス制度の開始日の2025年10月1日まで登録事業者になるためには、その6か月前までに登録申請をしないとなりません。現在の請求書・領収書の様式も、「登録番号」や「適用税率」「税率ごとに区分した消費税額等」の記載ができるよう変更も必要となります。必要に応じて、レジや会計、販売システムの改修、またインボイス制度にかかる社員研修等も必要となるので、早めの準備開始が大切と考えております。「適格請求書等発行事業者の登録申請書」の様式はすでに国税庁HPに掲載されております。登録申請は事前準備の第一歩となりますので余裕をもって準備を進めてほしいと思います。なおRITA税理士法人では登録申請を代理で行うこともできます。詳しくは問い合わせください。

草 々

7月

 前略 7月を迎えいよいよ夏らしい暑さが続いている今日この頃ですが、皆様におかれましては益々ご健勝のこととお慶び申し上げます。

 さて日本でもコロナワクチン接種は順次進んできているようで、1日あたりの接種回数も100万回以上と安定してきています。6月末現在で、全人口1億2千700万人中23,3%、その内65歳以上については61,9%の方が、少なくとも1回以上の接種を完了しています。政府の目標では7月末までに65歳以上の接種を完了し、10~11月までに希望者のすべての接種を完了させるということですが、このまま順調にワクチン接種が進んで、早く集団免疫の獲得が達成されることを期待しているところです。

 そんな中、驚いたのは政府の発表によりますと、2020年度の我が国の税収が過去最高を更新したとのことでした。特に法人税、消費税の伸びが顕著で反面、所得税は横ばいでした。これは製造業の大企業の業績がコロナ禍においても非常に好調であったということであり、飲食業、観光業や中小企業全般の業績は落ち込んでおりますので、企業業績は2局化「K字」の回復であったことがわかります。また7月1日発表された日銀短観でも大企業の業況判断指数(DI)はプラスに転じておりますが、これも輸出企業が全体を引っ張り、国内需要は低迷したままですので、製造業と非製造業とで「K字」の状態です。

 一方で、消費回復についてはワクチン接種が進んだ高齢者を中心として、今まで低迷していた観光業界や百貨店でも前向きな見通しとなってきています。人気の温泉地等では、すでに8月のお盆シーズンは満室の状態となっており、旅行業界大手でも秋以降の大幅回復を見通しているようです。このまま接種が進むことにより益々消費が促進され経済が回復していくことを心から期待しているところです。

 さて今月23日からは、いよいよ東京オリンピックです。海外選手団の入国も本格化してきておりムードも盛り上がってきました。開催については賛否両論様々だったわけですが、開催するからには日本中が大いに盛り上がって、景気にも大きく火をつけるような大会になってほしいものです。私もしっかりと観戦し応援していきたいと思っております。

 それにしても大リーグのエンゼルス大谷はものすごいの一言ではすみません。神がかっているとはこのことか、どこまで記録を伸ばしていくのか、こちらも毎日が楽しみな今日この頃です。暑い夏は外に出ないでお家でビールを飲みながらスポーツ観戦三昧で楽しみたいと思っております。

草 々

6月

 前略 初夏の風が心地よい季節となって参りましたが、皆様におかれましては益々ご清栄のこととお慶び申し上げます。

 さて、毎日のニュース番組の3分の2はコロナ関連という状況が続き、相変わらず危機感をあおるような批判的な報道が目つきますが、そんな中ワクチン接種の方は徐々に進んでいるようで、国内で少なくとも1回以上の接種を受けた人数は、1000万人を超え、医療従事者については97%、65歳以上は15%ほどが完了したとのことです。今や接種の加速こそが経済活動の回復、消費者のマインドの改善につながる命綱です。接種ペースを上げていくことに全力を掲げてほしいところです。

 ところで、ワクチン接種が進んだ後、我々の仕事や生活は元に戻るのでしょうか?。
ここが問題ですよね。これについては専門家も政治家もマスコミも誰も語りません。つまり誰にもわからないわけです。1か月後の我々の仕事や生活がどうなるかも予測できない。

 ワクチンによる集団免疫は70%以上といわれておりますので、楽観的なシナリオとしては、ワクチン接種が進んで集団免疫が達成されるかもしれないし、逆に既に世界では数種の変異株が発生しており、ワクチンに耐性のある新種株が発生してしまうかもしれない。
コロナ社会は予測不能な不確実な社会といえますが、企業経営者としては黙って成り行きを見守っているわけにはいきません。半年後、1年後を予測し準備を進めなければならない時期になっていると考えております。

 ウィズコロナでの経営課題は、「在宅勤務での生産性をいかに高めるか」と「取引先と対面しないで如何にビジネスを進めるか」ということだと思います。またアフターコロナでは間違いなく増税となります。手元資金を厚くし、生産性を高めることが重要となります。AI,人工知能、自動化、脱炭素政策は一気に進み、経営環境は加速度的に変化すると考えております。ここに乗り遅れるわけにはいきません。

 とりあえずは、急激な環境の変化に負けない体力とメンタルを維持しつつ、覚悟を決めて変化を楽しんでいきたいと考えている次第です。


◎今月の言葉

 「おもしろきこともなき世をおもしろく、すみなすものは心なりけり」

(高杉晋作 辞世の句)

草 々

5月

 前略 桜の花も各地で満開となり、まさに春真っ盛りの今日この頃ですが、皆様におかれまして益々ご清栄のこととお喜び申し上げます。

 さて、世の中の方も相変わらずコロナの話題が満開で、ここにきて変異型のコロナウイルスが急拡大し、又もや3度目となる緊急事態宣言が4都府県に発令されました。

 そんな中でのゴールデンウィークは思ったほど人出も抑えられず、もはや人々は緊急事態に慣れてしまった感があります。度重なる休業要請・自粛要請の中で多くの問題点も表面化してきております。感染者の数は欧米諸国よりも桁違いに少なく、また病床数も世界有数の多さを誇る日本において、なぜ「病床逼迫」が起こるのか。コロナ感染者を受け入れていない病院では、「空き病床数」は増えているそうです。一方コロナ感染者を受け入れる病院では「ベッドが足りない」と悲鳴が上がっており救急患者の「たらい回し」まで起きてしまっています。日本における医療体制の大きな問題点が浮き彫りになっております。飲食店に対する休業や酒類提供の中止が広がったことで、駅前広場や、コンビニ前の路上で多くの若者が深夜遅くまで集まって騒いでいる「路上飲み」も増えてきております。桜の季節、「お花見」で野外で飲むビールは最高にうまいですが、時間・場所を考えてほしいところ。コロナ感染症問題が長期化し、様々な問題点も露呈してきていますが、規則で締め付けたり、「お酒を飲む人が悪い」「外出している人が悪い」「国が悪い」とか国民同士で非難し合うのではなく、日本人が誇れる「モラル」「他者を思いやる心」でコロナを克服してほしいと考えております。

<今月の言葉> (ウィリアム・S・クラーク博士より)

 「Be gentleman! ビー ジェントルマン 紳士たれ」

 クラーク博士は、1876年に当時、北海道開拓使の長官を務めていた黒田清隆の要請により、北海道の農業技術の向上のために、札幌農学校の初代教頭としてアメリカからやってきた人物ですが、博士の教頭就任披露の演説で発せられた言葉です。「本校の学生諸君は紳士である。紳士とは自分のことは自分で始末するものである。自分で自分を制するものに規則は不要である」と言って、それまであった一切の規則の撤廃を宣言しました。
そして代わりに定めた校則はたった一言でした。「Be gentleman 紳士たれ」でした。

草 々

4月

 前略 雪解けもすっかり進み、全国各地でも桜の開花が記録的な速さで進んでいる今日この頃ですが、皆様におかれましては益々ご健勝のこととお慶び申し上げます。

 さて、やっと新型コロナウィルスの緊急事態宣言が解除されたと思ったのも束の間、またもや感染者数が増加しはじめ、変異ウイルスも急拡大し、遂に「まん延防止等重点措置」が大坂、兵庫、宮城で初めて適用されることとなりました。コロナ終息への道のりはなお遠いなと感じております。

 そんな中、経済の方はというと4月1日に公表されました日銀短観によると、大企業製造業で順調に回復が進む一方で、宿泊・飲食業やサービス業では未だ回復にはほど遠い状況が続いています。経済が大きくに落ち込んだ後に、全体が急回復する状況が「V字」回復、全体が落ち込んだままの状態が「L字」状態と言われますが、今回は急回復する業種と停滞する業種の二極化が進んだ状態で「K字」の状態ということです。豊かな者がさらに豊かになり、貧しい者がさらに貧しくなるのがこの「K字」の特徴です。

 二極化の状況は、業種間だけの話ではなく、日本の社会の多くの場面で顕著になっていると感じます。正社員と非正規雇用者間との待遇の二極化、日本人の貧富の格差はかつてないほど進んでおります。OECDの貧困率データによると日本の貧困率は40か国中14位で、日本より貧困率が高い先進国は、アメリカと韓国くらいという状況です。

 経済面だけの話ではなく、人々の感情面や考え方でも二極化は起こっていると感じます。
「コロナを警戒しない人」は夜の街で飲食やカラオケを始めていますし、「コロナを異常に警戒してる人」は自粛と我慢を続けつつ、他者には非常に不寛容になってきている。また、コロナ禍を明治維新や第2次世界対戦のような時代の大転換(リセット)ととらえ、コロナ以降はまったく新しい世界が始まると考える人もいれば、コロナ禍は一つの「災害」だととらえ、収束さえすればいずれ元に戻ると考える人、との二極化も生じているのではないでしょうか。そしてこれらの二極化は、コロナ禍により新しく起こったということではなく、従来から起きていたものが、よりリアルに鮮明になり、一気に進んだということだと感じています。

 今後の日本は、少子高齢化・人口減少をはじめ、国内外に問題が山積しておりますが、この二極化により社会分断が進み、互いに相手を理解しない歪んだ社会にだけはなって欲しくないと、心から願っている次第です。我々企業経営者は、しっかりと時代の変化を読み、変化に適応できる柔軟性を持ち続けていく覚悟が必要と考えております。

草 々

3月

 前略 3月を迎え 春まだ遠い今日この頃ですが、皆様におかれましては益々ご健勝のこととお慶び申し上げます。

 このところの新型コロナウィルスの新規感染者数の減少傾向に加え、病床数の逼迫も一定程度解消されつつある中、10都府県に出されていた緊急事態宣言も首都圏を除き2月28日をもって解除されました。また札幌市内の飲食店への午後10時までの時間短縮営業と、外出往来の自粛要請も同日までで解除されおります。日本全国でワクチン接種も開始されており、このまま順調にコロナ禍が収束していくことを期待しているところです。
さてそんな中、政府の方でもこの度、1兆1485億円もの大規模な第3次補正予算を成立させ、中小企業の生き残りに向けて様々な支援策を用意してきております。新たな支援策についてここでいくつかをご紹介したいと思います。

1、事業再構築補助金
 中小事業者が思い切った事業再構築、新分野展開、業種転換等に取り組む場合に受けられる補助金です。要件は①任意の3か月の売上についてコロナ以前より10%以上減少。②認定支援機関と一体となって事業計画を策定すること。③補助事業終了後3~5年で付加価値額年平均3%以上増加すること。ということで要件は厳しくありません。補助金額も中小企業で6000万円以下とかなり大きな補助事業となっております。

2、緊急事態宣言の影響緩和に係る一次支援金
 緊急事態宣言に伴う飲食店時短営業の影響を受け、売上が50%以上減少した中小企業が対象で、給付上限は60万円です。飲食店及び飲食店との取引業者等を想定しており、所在地は問いません。「登録確認機関」による事前確認が必要となります。

3、その他の支援策
 政府系金融機関及び民間金融機関の実質無利子・無担保融資の受付期限が延長されるとともに、無利子枠も拡大され、条件変更等にも柔軟に対応されるようになっております。
 上記の他、既存の補助制度で特別枠が設けられたものや、自治体独自の支援策が多数提供されております。ポストコロナ時代において様々な変化に迅速に対応していくために、自助努力はもちろんですが、公助(公的支援)も有効に活用し、いち早くコロナ禍から立ち上がることが今は大変重要と考えております。

草 々

2月

 前略 厳寒の候 皆様におかれましては、益々ご健勝のこととお慶び申し上げます。

 さて、日本で新型コロナウィルス感染者が初めて確認されてから1年が経過しました。振り返ると、昨年の今頃は圧倒的に情報量が少なく、感染経路も潜伏期間も不明の中、ドラッグストアからは一気にマスクが消え、日本中でまさに混乱が始まった頃でありました。その後感染者は、想定を超えるスピードで一気に広がり、医療機関にも経済界にも想定外の規模で混乱が生じている状況です。いかなる方策が正解なのかは誰にもわからない中、現在も11都府県において緊急事態宣言下でありますが、ここに来てようやく各国でワクチンの開発も進み、日本でも数か月後からの接種開始の見込みも出てきているところであります。ワクチンによりコロナ収束が順調に進むことを大いに期待しているところです。

 しかしながら一方では自粛生活の疲れからか、自粛破りの行動も目立っております。特に、国会議員の気の抜けようには驚かされます。緊急事態宣言下の昨年4月には立憲民主党の議員が性風俗店に出入りしていたり、年末には菅義偉総理大臣までもが大人数で会食をしていたことが発覚しております。さらに先月は自民党と公明党の議員が銀座のクラブで遊んでいた(本人は陳情を受けていたと言っているが・・・)とのこと。しかも自民党議員の一人は元国家公安委員長です。国民皆が頑張っている中行動が軽すぎますよね。
リーダーには「率先垂範」が非常に重要であると感じている次第です。

◎「身をもって範を示す」(松下幸之助一日一語より)

 指導者というのは、いろいろなかたちでみずから信じるところ、思うところを人々にたえず訴えねばならない。と、同時に大切なのは、そのことを自分自身が身をもって実践し、範を示すようにつとめていくことであろう。
”百日の説法屁一つ”ということわざもあるように、どんなにいいことを説いても、その成すところがそれに反していたのでは、十分な説得力は持ち得ない。
もちろん、力及ばずして100%実行はできないということもあろう。というよりそれが人間としての常かもしれない。しかし、身をもって範を示すという気概のない指導者には、人びとは決して心からはしたがわないものである。

草 々

1月

 新年明けましておめでとうございます

 いよいよ令和3年の幕が開けました。皆様におかれましては健やかなる新春をお迎えのこととお慶び申し上げます。

 今年の年明けはコロナ集中対策期間中ということで、不要不急の外出制限や、5人以上又は2時間超の会食の自粛要請が出されましたので、普段一緒にいる人と自宅で静かに過ごされた方が多かったのではないでしょうか。

 さて、毎年末の風物詩とも言える、日本漢字能力検定協会が発表する2020年「今年の漢字」は「密」という漢字でした。一方、現代用語の基礎知識のユーキャン新語・流行語大賞の方は、「3密」という用語が選ばれました。理由は何といっても新型コロナウイルス感染症の世界的流行により、人との距離間の「密」を避けることに世間の関心が高まったことによると思いますが、その他にも大切な人との関係が密接になったこと、政界や芸能界で秘密が多かったこと等も選ばれた理由とのこと。まあ予想通りの結果ですよね。昨年はまさしく世界中が新型コロナウィルスに翻弄された1年でした。「密」を避けるため、在宅勤務やリモート会議、オンライン飲み会等が一斉に浸透し、新しい生活様式や、新しい働き方のスタイルに振り回された感はありますが、一方では密に頼りすぎていた日常や、当たり前と感じていた習慣を見直す機会にもなったのではないでしょうか。個人的にもうがい手洗いをしっかりと行い、飲み会も激減し、二日酔いもなく、風邪もひかず、すっかり健康的な1年でありました。

 さてさて、2021年は一体どんな1年になるのでしょうか。中小企業経営者の高齢化は益々進み、また70歳以上の経営者の半数は後継者不在です。加えてコロナ禍による経営悪化も急速に進んでいる中で、中小企業の休廃業・解散が加速度的に増加しております。如何にして健全経営を維持するか、事業継続させていくかが大きな課題となります。

 RITA税理士法人は、今年も企業の黒字化のご支援、事業承継対策、自社株対策等々、中小企業の皆さんに寄り添い「正直」「親切」「誠心誠意」をモットーに、皆様の経営に少しでも役立つため、変化に対応しつつ、共に考え、全力で邁進する所存です。

本年もどうぞよろしくご指導ご鞭撻の程お願い申し上げます。

草 々