事務所便り

山美税理士事務所から関与先の皆様へ毎月お届けする「事務所便り」です。

 前略 11月を迎え寒さが身にしみる今日この頃ですが、皆様におかれましては益々ご健勝のこととお慶び申し上げます。
 さて、令和元年も残り2ヶ月となりましたが、振り返ると今年は、事業経営者にとって影響のある法改正が数多く施行されております。その中でも特に注目したいのが民法改正であります。民法のうち債権法(契約等に関する法律)は 、1896年に民法が制定された後,約120年ぶりの初めての改正であり、一部の規定を除き,来年2020年4月1日から施行されます。また,相続法(相続に関する法律)は、昭和55年以来約40年ぶりの改正となりますが、2019年から既に段階的に施行されているところです。債権法も相続法も,我々経営者に大きな影響を与える重要な法律で、特に相続法改正については、「社会の高齢化の進展に伴い、配偶者の権利の保護に重点が置かれた制度改正となっておりますので改正の概要を以下に確認しておきたいと思います。
①配偶者居住権が新設されました。配偶者居住権とは、配偶者が相続開始時に居住していた被相続人所有の建物について、配偶者がその建物を相続しなくても、終身、配偶者に居住することを認める権利(居住権)をいいます。→相続財産として評価されます。
②配偶者短期居住権が新設されました。配偶者短期居住権とは、配偶者が相続開始時に居住していた被相続人の建物について、最低でも6ヶ月間はその建物に無償で居住する権利をいいます。→相続財産として評価しない。
③遺産分割等に関して見直されました。結婚生活が20年以上の配偶者から、居住用の土地や建物を遺贈または生前贈与された場合に、持戻し免除されることが明文化されました。
これにより、配偶者はより多くの財産を取得することが可能となりました。
④自筆証書遺言について、財産目録など一部をPCでの作成が可能となりました。
⑤自筆証書遺言について、法務局で遺言書を預かる新制度が制定されました。
⑥ 遺留分制度に関する見直し→遺留分侵害額に対し、物権権利ではなく、侵害額に相当する金銭を請求できることとなりました。
⑦ 特別寄与制度の創設。→相続人ではない被相続人の親族が、被相続人の療養看護等を行った場合、相続人に対して金銭請求できる制度が創設されました。
⑧その他 預金の事前仮払戻制度の創設などが制定されております。
 いずれにしても今回の民法相続法の改正は、ほとんどが新制度となっており、複雑な部分も多い改正となっております。詳細は当事務所までお問い合わせ下さい。
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