事務所便り

RITA税理士法人から関与先の皆様へ毎月お届けする「事務所便り」です。


 前略 今年の桜は例年よりもかなり早く、各地から満開の便りが届く今日この頃ですが、皆様におかれましては益々ご健勝のこととお喜び申し上げます。そんな中、今年のゴールデンウィークは、3年ぶりにコロナによる外出制限もなく各地で多くの人で賑わいを見せているようです。今後は新型コロナウイルスと共生しつつ経済の正常化・活性化が進んでいくことに大いに期待しているところです。

 さて、そんな期待感に不安を落としているのが、このところ急激に進んでいる「円安」の状況ではないでしょうか。日銀は4月28日に、金融政策決定会合で異次元金融緩和を続けていくと決めました。するとこれを受けて、東京外国為替市場では円相場が急下落し、1ドル=131円台を突破してしまいました。これは2002年4月以来、約20年ぶりの円安の水準となります。テレビや新聞等のメディアではよく「悪い円安」という表現を使いますが、今回の円安は悪い円安なのか。日銀の黒田東彦総裁は「現在の円安は特にマイナスではない」と発言しており、一方鈴木俊一財務大臣は、「企業が原材料高を価格転嫁できず、国民の賃金も上がらない状況下での円安は悪い円安」と発言しております。円安には良い面と悪い面があるわけですが、重要なのは我々中小企業者にとってどのような影響があるのかということですよね。

 円安のメリットはというと、輸出企業の価格競争力が上がることや、海外資産に投資をしていた際の受取利子や配当が増えることが挙げられます。デメリットとしては、海外から輸入するモノの値段が上昇することが挙げられます。簡単に言ってしまうと、輸出企業には追い風で、輸入企業には向かい風ということになります。コロナ禍及びロシアのウクライナ進行により原材料やエネルギー、食品等に強烈に物価上昇圧力が高まる現在、今回の異次元緩和の継続と円安は、さらなる物価上昇を招くという意味において、とりあえず「悪い円安」と言えると思います。が中長期的に見ると、異次元金融緩和をやめて金利を上げた場合、日本経済には大きなダメージも予測できます。コロナ無利子融資の返済も始まる中、資金調達に大きな影響が出て中小企業の倒産が急増するとも考えられます。政府には小手先の対策ではなく、根本的問題点を認識し長期的に改善してほしいと考えます。他国が経済成長を続け、それに伴い賃金も上昇する中、日本経済は30年間停滞し成長できず、賃金も上がらず、更には非正規雇用の比率が高まり労働環境は不安定化し、少子高齢化・人口減少が進行してしまいました。日本経済のそもそもの問題点は何なのか、幅広く思考を展開しないと、本当に正しい解決策は見えてこないと考えている次第です。

草 々